Pierrot
「お母さん」

詩音は堪え切れない不安から声をかける。今回も何ともないよね?おばあちゃんみたいに急にいなくなったりしないよね?そんな疑問が心に生まれた。

「どうしたの?詩音」

母はいつものように笑っていた。不安を一切見せない。

「ごめん、何でもない」

詩音はそう言って部屋へと戻る。部屋に入った瞬間に、詩音の顔から笑顔が消えた。



詩音の母の検査の日が近づく中、詩音たちの学校は大忙しだ。

もうすぐ、詩音の学校では文化祭が行われる。各クラスがそれぞれが行う出し物の準備に勤しんでいた。

詩音のクラスはコスプレ喫茶を行う。コスプレ衣装を用意したり、看板を用意したり、大忙しだ。

「ちょっと男子!真面目にやんなさいよ!」

「休憩するくらいいいだろ〜?」

そんな声がたまに聞こえる中、詩音は黙々と当日このクラスに並べるテーブルや椅子の準備を進める。あまり時間がない。遅くまで残らないと終わらないだろう。
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