目が合ったその瞬間から

「準備できたよ。」


私はそう朔くんに報告する。


「じゃあ行こっか。」

「え?どこに?」

「集合場所に。」


そうだ。私は集合場所にすら一人で行けない。


「ごめん。ありがとう。」

「ううん。こっちが巻き込んだんだもん。」


そう言って家を出ようとした時


「あっ。これあげる。」

「え?これ鍵…だよね?」


突然朔くんに鍵を渡された。


「それここの鍵。ここの鍵は俺と古都しか持ってないし、ここに人を入れたのも古都が初めてだよ。」

「え?そうなの?なんで私のこと入れてくれたの?」


誰も入れたことのない家に入れてくれたなんて嬉しい。けど疑問がいっぱい。


「古都だからだよ。だから古都もここには誰も入れないでね。」

「わかった。」

「じゃあ行こうか。」


私たちは家を出た。
< 13 / 34 >

この作品をシェア

pagetop