自惚れヒーローに物申す!
*
「あっ、鈴木先輩ですか!? 大変なんです、いま華が倒れちゃって……!」
佐藤からその連絡を受けたのは、タカナシの家に滞在して一週間が経った頃だった。
俺と華の事情は誰にも口を割っていなかったが、佐藤とタカナシは別段聞き出すわけでもなく、ただ俺たちを見守ってくれていたように思う。
「分かった。すぐ行く」
どんな顔で会いに行けばいいのか。なんて謝ればいいのか。そんな考えより先に、体が動いていた。
「タカナシ。悪かったな、助かった」
迷惑な友人、否、トラブルメーカーだったろう。
彼は俺をじっと見つめ、端的に急かした。
「早く行ってあげな」
「……さんきゅ」
相変わらず淡泊な友人の家を出て、ひた走る。電車を待つのももどかしくて、タクシーを拾った。
「佐藤! 華は!?」
突然入るなり声を張り上げた俺に、佐藤は肩をびくつかせた。早かったですね、と驚いた彼女が、華の部屋を指して言う。
「いまベッドに寝かせたところです。多分ただの風邪だとは思いますけど……昨日くらいからずっと顔色悪くて。熱があるので、ちょっとしんどそうです」
「そうか。ありがとう」
「あっ、鈴木先輩ですか!? 大変なんです、いま華が倒れちゃって……!」
佐藤からその連絡を受けたのは、タカナシの家に滞在して一週間が経った頃だった。
俺と華の事情は誰にも口を割っていなかったが、佐藤とタカナシは別段聞き出すわけでもなく、ただ俺たちを見守ってくれていたように思う。
「分かった。すぐ行く」
どんな顔で会いに行けばいいのか。なんて謝ればいいのか。そんな考えより先に、体が動いていた。
「タカナシ。悪かったな、助かった」
迷惑な友人、否、トラブルメーカーだったろう。
彼は俺をじっと見つめ、端的に急かした。
「早く行ってあげな」
「……さんきゅ」
相変わらず淡泊な友人の家を出て、ひた走る。電車を待つのももどかしくて、タクシーを拾った。
「佐藤! 華は!?」
突然入るなり声を張り上げた俺に、佐藤は肩をびくつかせた。早かったですね、と驚いた彼女が、華の部屋を指して言う。
「いまベッドに寝かせたところです。多分ただの風邪だとは思いますけど……昨日くらいからずっと顔色悪くて。熱があるので、ちょっとしんどそうです」
「そうか。ありがとう」