自惚れヒーローに物申す!
本当に、どこまで不摂生な生活をしていたんだろう。
昨日の晩、新しい家で初めてきちんと料理をした。といっても冷凍うどんを茹でて、卵でとじただけだったけれど。
今日の朝はフレンチトーストとウィンナー、それからコールスローサラダ。彼は野菜全般あまり得意ではないらしく、渋い顔でサラダを口に運んでいた。
家に着いて早々、私は夕飯の準備に取り掛かる。
彼はといえば、昨日とは打って変わってすっかり元気を取り戻し、今朝から「何か手伝うか?」と私の周りをうろついていた。
……は、いいものの。
とにかく何をするにしても危なっかしい。そして目が離せない。そんなわけで、私は彼に「家事遂行禁止命令」を出していた。
「わ、いい匂い」
ルーを煮込んでいたところで、炊飯器がご飯の炊きあがりを教えてくれた。あけた途端、ふわりと湯気が舞って頬を掠める。私はこの匂いが好きだ。
ここへ来てから初めて炊いたお米。何だか、いよいよ本格的に暮らすんだなあ、と実感がわく。
「それにしても綺麗だなあ……」