自惚れヒーローに物申す!
*
せっかくの連休だというのに、今のところ変わり映えのしない日が続いていた。
買い物に出かけたのも結局連休初日のみで、先輩はといえば、連日部屋に引きこもっている。
昨日の夕飯の際に聞いてみたところ、どうやら彼は勉学に励んでいるらしい。
確かに、先輩は成績優秀だ、とチョコが話していた。でもだからって、一日中そうしていては体にも悪いんじゃなかろうか。
そんなわけで、私は一つ、作戦を決行した。
「先輩、提案があるのですが」
その日の夕飯の席。
彼の茶碗に炊き込みご飯のお代わりを盛り付けながら、私は切り出した。
「何だ?」
「今日はちょっと夜更かししませんか」
普段早寝早起きを推奨している私から、まさかそんな言葉が飛び出すとは思わなかったのだろう。彼はしばし呆気にとられた様子で固まっていた。
「実はですね、観たい映画があるんです。でも一人で観るには忍びないので、先輩も一緒にどうかなと」
ずっと勉強漬けというのも息が詰まってしまう。多少の息抜きなら彼だって応じてくれるのではないか、と私なりに考慮した結果だった。
しかし彼は何やら難しい顔で黙り込んでいる。
映画にはあまり惹かれなかったんだろうか。それなら、と私はもう一つのプランを提案する。
「じゃあトランプしません? 大富豪とか! 私結構強いんですよ」
せっかくの連休だというのに、今のところ変わり映えのしない日が続いていた。
買い物に出かけたのも結局連休初日のみで、先輩はといえば、連日部屋に引きこもっている。
昨日の夕飯の際に聞いてみたところ、どうやら彼は勉学に励んでいるらしい。
確かに、先輩は成績優秀だ、とチョコが話していた。でもだからって、一日中そうしていては体にも悪いんじゃなかろうか。
そんなわけで、私は一つ、作戦を決行した。
「先輩、提案があるのですが」
その日の夕飯の席。
彼の茶碗に炊き込みご飯のお代わりを盛り付けながら、私は切り出した。
「何だ?」
「今日はちょっと夜更かししませんか」
普段早寝早起きを推奨している私から、まさかそんな言葉が飛び出すとは思わなかったのだろう。彼はしばし呆気にとられた様子で固まっていた。
「実はですね、観たい映画があるんです。でも一人で観るには忍びないので、先輩も一緒にどうかなと」
ずっと勉強漬けというのも息が詰まってしまう。多少の息抜きなら彼だって応じてくれるのではないか、と私なりに考慮した結果だった。
しかし彼は何やら難しい顔で黙り込んでいる。
映画にはあまり惹かれなかったんだろうか。それなら、と私はもう一つのプランを提案する。
「じゃあトランプしません? 大富豪とか! 私結構強いんですよ」