狂おしいほどに君を愛している
24.入学式
「ノエルはどこにいるんだろう?」
入学式当日
少し早めに会場に入ったけど人でごった返しているのでこの中から見つけるのは至難の業だ。
諦めようかと思った時、周囲から感嘆の声が漏れた。
みんなの視線が集まっている先を見るとそこにノエルがいた。
ノエルは私にを見つけるととても嬉しそうに満面の笑みを浮かべてやって来る。
彼の笑顔を見ただけで失神者が現れた。
確かにかなりの破壊力だ。
「スカーレット、良かった。直ぐに見つけられた」
そう言って私の元に駆けよって来たノエルは私に抱き着いた。周囲から悲鳴が上がった。
「誰よあの子」
「私知っているわ。多分、悪女よ」
「どうしてそんな子が」
「決まってるだろ。体で誑し込んだんだよ」
私はノエルに抱きしめられたことで固まってしまって周囲の声は全く耳に入って来なかった。
「ノエル、困ったるだろ。放してやれ」
もう一人来た。
「ごめんね、スカーレット。嬉しくって」
「いいえ、ちょっと驚いただけです。あのそちらの方は?」
「ああ、俺は」
「知らなくていいよ。どうでもいい奴だから」
「おい」
仲が良いようだ。
「私はスカーレット・ブラッティーネよ」
「レイクロード・ラッセルだ」
全然、記憶にない。
今までの繰り返しの人生で彼らと関わった記憶がない。けれど今回に限って私の人生に登場するということは私が記憶を持っていることに起因しているのだろう。
「レイでいいぜ」
「呼ばなくていいよ」
ぶすっとした顔でノエルが言う。
何だか年下の男の子みたい。見た目格好いいけど、中身はかなり可愛いのね。
「私はスカーレットで良いわ。二人とも、今日からよろしくね」
「おう」
「うん。そうだ、スカーレット、これ記念にどうぞ」
綺麗に包装された小箱をノエルがポケットから出してきた。それを見た時、レイクロードはげんなりした顔をしていた。
「ありがとう。私、誰かにプレゼントを貰ったことがないの。嬉しいわ」
それから暫くして入学式が始まった。
今年はユージーンが入学する年でもある。
そして第二王子であるエドウィンも在籍中だ。その為、学校に二人の王族が在籍していることになる。
学校側はかなりピリピリしている。
王族に何かあれば学校側の責任問題になる為、警備もいつも以上に気を遣っているだろう。
ここは四回とも同じね。
「スカーレット、教室に行こう」
「ええ」
ノエルはとても自然な流れで私の手を取った。
私は握られた手に一度視線を向けるとノエルは「どうかした?」と首を傾げる。何だろう。笑顔だけど指摘してはいけない感じがひしひしと伝わって来る。
それに指摘する私が間違っているみたいな空気だった。ここはスルーしておこう。
「スカーレット」
教室に行こうとしたら呼び止められた。そこで、もう一人在籍中していたことを思い出した。
「‥…シャノワール」
シャノワールは私の元へ来て、一緒にいるノエルとレイクロードを見た後、再び視線をノエルに戻した。
ノエルがというよりも私とノエルが手を繋いでいることが気になるようだ。まぁ、そうだろうね。婚約する可能性のある女の子が知らない奴と手を繋いでいたら。
「ノエル・オーガストです」
「‥‥シャノワール・シクラメンだ」
「行こう、スカーレット」
「えっ」
名前だけ名乗ってノエルは私の手を引っ張って歩き出す。レイクロードは仕方がないという感じについて来る。
シャノワールは引き留めることはしなかったけどその場にフリーズしていた。
入学式当日
少し早めに会場に入ったけど人でごった返しているのでこの中から見つけるのは至難の業だ。
諦めようかと思った時、周囲から感嘆の声が漏れた。
みんなの視線が集まっている先を見るとそこにノエルがいた。
ノエルは私にを見つけるととても嬉しそうに満面の笑みを浮かべてやって来る。
彼の笑顔を見ただけで失神者が現れた。
確かにかなりの破壊力だ。
「スカーレット、良かった。直ぐに見つけられた」
そう言って私の元に駆けよって来たノエルは私に抱き着いた。周囲から悲鳴が上がった。
「誰よあの子」
「私知っているわ。多分、悪女よ」
「どうしてそんな子が」
「決まってるだろ。体で誑し込んだんだよ」
私はノエルに抱きしめられたことで固まってしまって周囲の声は全く耳に入って来なかった。
「ノエル、困ったるだろ。放してやれ」
もう一人来た。
「ごめんね、スカーレット。嬉しくって」
「いいえ、ちょっと驚いただけです。あのそちらの方は?」
「ああ、俺は」
「知らなくていいよ。どうでもいい奴だから」
「おい」
仲が良いようだ。
「私はスカーレット・ブラッティーネよ」
「レイクロード・ラッセルだ」
全然、記憶にない。
今までの繰り返しの人生で彼らと関わった記憶がない。けれど今回に限って私の人生に登場するということは私が記憶を持っていることに起因しているのだろう。
「レイでいいぜ」
「呼ばなくていいよ」
ぶすっとした顔でノエルが言う。
何だか年下の男の子みたい。見た目格好いいけど、中身はかなり可愛いのね。
「私はスカーレットで良いわ。二人とも、今日からよろしくね」
「おう」
「うん。そうだ、スカーレット、これ記念にどうぞ」
綺麗に包装された小箱をノエルがポケットから出してきた。それを見た時、レイクロードはげんなりした顔をしていた。
「ありがとう。私、誰かにプレゼントを貰ったことがないの。嬉しいわ」
それから暫くして入学式が始まった。
今年はユージーンが入学する年でもある。
そして第二王子であるエドウィンも在籍中だ。その為、学校に二人の王族が在籍していることになる。
学校側はかなりピリピリしている。
王族に何かあれば学校側の責任問題になる為、警備もいつも以上に気を遣っているだろう。
ここは四回とも同じね。
「スカーレット、教室に行こう」
「ええ」
ノエルはとても自然な流れで私の手を取った。
私は握られた手に一度視線を向けるとノエルは「どうかした?」と首を傾げる。何だろう。笑顔だけど指摘してはいけない感じがひしひしと伝わって来る。
それに指摘する私が間違っているみたいな空気だった。ここはスルーしておこう。
「スカーレット」
教室に行こうとしたら呼び止められた。そこで、もう一人在籍中していたことを思い出した。
「‥…シャノワール」
シャノワールは私の元へ来て、一緒にいるノエルとレイクロードを見た後、再び視線をノエルに戻した。
ノエルがというよりも私とノエルが手を繋いでいることが気になるようだ。まぁ、そうだろうね。婚約する可能性のある女の子が知らない奴と手を繋いでいたら。
「ノエル・オーガストです」
「‥‥シャノワール・シクラメンだ」
「行こう、スカーレット」
「えっ」
名前だけ名乗ってノエルは私の手を引っ張って歩き出す。レイクロードは仕方がないという感じについて来る。
シャノワールは引き留めることはしなかったけどその場にフリーズしていた。