狂おしいほどに君を愛している
31.これぐらいは当然だよね
ノエル視点
馬鹿ばかりだ。
自分の立場を分かっていない連中が多い。
誰よりも美しい心を持ったスカーレット。
君を傷つける者、君を不快にさせる者。その全てを俺は許さない。
スカーレット、俺を頼って。
俺なしでは生きていなくなって。
分かっているよ、スカーレット。
君は今、俺を恐れているよね。俺のこと不気味に思っているよね。でも君は俺から逃げられない。
俺に見つかってしまった。俺に捕えられてしまった。君はもう俺から逃れられない。
俺は腕の中で怯えるスカーレットを抱きしめる。逃げられないように。蜘蛛の糸で絡めるように。
スカーレット、俺は君なしでは生きていけないんだ。
だからも君も俺なしでは生きられないようになって。
愛しているよ、スカーレット。
誰よりも君を愛している。
だから許せない。君を傷つける者を。でも、ちょっとごめんね。
頼って欲しくて少しだけ君が傷つけられるのを見過ごしたんだ。
ごめんね。悲しみにくれる君も可愛くて、ちょっとだけ期待しちゃったんだ。
可愛い君が俺を頼ってくれないかって。
君がすぐにでも頼ってくれたら俺が全部片づけてあげたんだけどね。
君って昔から意地っ張りで、頑固だったよね。
頼ってくれなかったのは残念だけど、これ以上君を俺以外の人間が傷つける姿なんて見たくないから仕方がない。
スカーレット、今回だけだよ。
次は頼ってね。
「ごめんね、苦しかったよね」
「だ、大丈夫よ。ちょっと驚いただけ」
くすっ。
顔、真っ赤だ。可愛い。
ちゅっ
口の横にキスをする。
スカーレットは真っ赤な顔を更に真っ赤にした。
可愛い。止まらなくなりそう。でも、我慢。
「また、明日」
本当はもっと一緒にいたい。できれば、あんな毒女のいる邸に帰したくないけど仕方がない。
このまま一緒にいて、我慢できなくなっても困るし。
それに愚かな虫の排除もしないといけないし。
◇◇◇
「おい、何して来た」
「レイ」
レイクロードは血まみれの俺を見て顔を引き攣らせた。
「あまりおいたがすぎると」
「レイ」
「‥‥‥」
俺が睨むとレイクロードは口を閉じた。
「あんな男の説教なんかどうでもいい」
そう吐き捨てるとレイクロードはげんなりとした顔で言う。
「お説教ですむと思っているのか。この惨状を見て」
「殺してない」
「そういう問題じゃない」
「殺さなかっただけ感謝して欲しい。スカーレットを傷つけたんだ。本当なら『殺してくれ』と懇願させるまで甚振って殺してやるところだ」
あの男がうるさいから譲歩してやったのにレイクロードはまだ不満のようだ。
人間なんて何人死のうがどうでもいい。
「『いっそう殺してくれ』と懇願しても生かすことが慈悲だと?殺してやった方が慈悲だろ」
苦しめばいい。
スカーレットを傷つけて良いのは俺だけだよ。
そして俺を傷つけて良いのもスカーレットだけだ。
「なぜそこまで彼女に執着する。全てに無機質だったお前が、何にも執着しなかったお前が、なぜそこまで執着する?」
そう、俺は何を奪われても怒ったりはしない子供だった。
与えられたものに対して喜びを感じる子供ではなかった。
俺の心を動かすのはいつだってスカーレットだ。彼女が俺の全て。
「レイ、幾ら君でも俺とスカーレットの秘密を教えるわけないだろ」
「‥…あっそ」
馬鹿ばかりだ。
自分の立場を分かっていない連中が多い。
誰よりも美しい心を持ったスカーレット。
君を傷つける者、君を不快にさせる者。その全てを俺は許さない。
スカーレット、俺を頼って。
俺なしでは生きていなくなって。
分かっているよ、スカーレット。
君は今、俺を恐れているよね。俺のこと不気味に思っているよね。でも君は俺から逃げられない。
俺に見つかってしまった。俺に捕えられてしまった。君はもう俺から逃れられない。
俺は腕の中で怯えるスカーレットを抱きしめる。逃げられないように。蜘蛛の糸で絡めるように。
スカーレット、俺は君なしでは生きていけないんだ。
だからも君も俺なしでは生きられないようになって。
愛しているよ、スカーレット。
誰よりも君を愛している。
だから許せない。君を傷つける者を。でも、ちょっとごめんね。
頼って欲しくて少しだけ君が傷つけられるのを見過ごしたんだ。
ごめんね。悲しみにくれる君も可愛くて、ちょっとだけ期待しちゃったんだ。
可愛い君が俺を頼ってくれないかって。
君がすぐにでも頼ってくれたら俺が全部片づけてあげたんだけどね。
君って昔から意地っ張りで、頑固だったよね。
頼ってくれなかったのは残念だけど、これ以上君を俺以外の人間が傷つける姿なんて見たくないから仕方がない。
スカーレット、今回だけだよ。
次は頼ってね。
「ごめんね、苦しかったよね」
「だ、大丈夫よ。ちょっと驚いただけ」
くすっ。
顔、真っ赤だ。可愛い。
ちゅっ
口の横にキスをする。
スカーレットは真っ赤な顔を更に真っ赤にした。
可愛い。止まらなくなりそう。でも、我慢。
「また、明日」
本当はもっと一緒にいたい。できれば、あんな毒女のいる邸に帰したくないけど仕方がない。
このまま一緒にいて、我慢できなくなっても困るし。
それに愚かな虫の排除もしないといけないし。
◇◇◇
「おい、何して来た」
「レイ」
レイクロードは血まみれの俺を見て顔を引き攣らせた。
「あまりおいたがすぎると」
「レイ」
「‥‥‥」
俺が睨むとレイクロードは口を閉じた。
「あんな男の説教なんかどうでもいい」
そう吐き捨てるとレイクロードはげんなりとした顔で言う。
「お説教ですむと思っているのか。この惨状を見て」
「殺してない」
「そういう問題じゃない」
「殺さなかっただけ感謝して欲しい。スカーレットを傷つけたんだ。本当なら『殺してくれ』と懇願させるまで甚振って殺してやるところだ」
あの男がうるさいから譲歩してやったのにレイクロードはまだ不満のようだ。
人間なんて何人死のうがどうでもいい。
「『いっそう殺してくれ』と懇願しても生かすことが慈悲だと?殺してやった方が慈悲だろ」
苦しめばいい。
スカーレットを傷つけて良いのは俺だけだよ。
そして俺を傷つけて良いのもスカーレットだけだ。
「なぜそこまで彼女に執着する。全てに無機質だったお前が、何にも執着しなかったお前が、なぜそこまで執着する?」
そう、俺は何を奪われても怒ったりはしない子供だった。
与えられたものに対して喜びを感じる子供ではなかった。
俺の心を動かすのはいつだってスカーレットだ。彼女が俺の全て。
「レイ、幾ら君でも俺とスカーレットの秘密を教えるわけないだろ」
「‥…あっそ」