分岐点 ~幸せになるために
『今週も 忙しそうだね』
ランチタイムに 毅彦から ラインが届く。
『はい。先週ほどじゃないけど』
『明日あたり 食事しようか?』
『了解です。早めに上がれるように 頑張ります』
『俺も。夜、またラインするね』
私達 まるで恋人みたいじゃない?
こんなこと していたら 私 誤解しちゃうよ?
たった一回のキスで 変わってしまった心。
このまま 進んでしまっても いいの?
今なら まだ 引き返せるんじゃない?
私の中には まだ ためらいがあった。
家庭のある人と これ以上 親しくなっては いけない。
毅彦が どんな気持ちで 私に近付いているのか
よくわからなかったから…
大げさに 考えることも 子供じみているようで。
しばらく 成り行きに 任せてみよう。
私は 毅彦との時間が 楽しくなり始めていた。