分岐点 ~幸せになるために
初めてじゃ ないけど。
未熟な経験しか なかった私。
毅彦は 知らなかった世界の ドアを開けた。
「……んっ。」
「うっ… 沙耶香……」
濃密な愛の後は 丁寧に 抱き締めてくれる。
「…沙耶香。可愛いな…」
どうしよう…?
私 いけないこと している。
これ以上 毅彦に 近付いたら いけない。
わかっている。わかっているけど…
毅彦の腕の中は 温かくて 心地良くて。
離れたくないって 思ってしまう。
悪いことを している自覚。
罪悪感は 甘い歓びになって 私を包む。
そっと 髪を撫でられながら
私は 気を失うように 眠っていた。