分岐点 ~幸せになるために
一度 超えてしまえば。
私達を 留めていた 常識も理性も。
簡単に 手放してしまえる。
毅彦は 早く帰れる日
私の部屋に 寄るようになった。
簡単な 食事をして 私を抱いて…
夜遅くに 家へ帰る。
週に一度くらい。
まるで愛人ような 自分のことを
私は 気付かないふりをした。
自分は 恋している…
そう思うことで 忘れようとした。
私がしていることは ただの不倫。
毅彦の家族を 傷付けていることも。
私自身を 擦り減らしていることも。
毅彦の 濃密な愛に 溺れることで。
私は 幸せだって 錯覚していた。