分岐点 ~幸せになるために
横浜駅で みなとみらい線に乗り換えて。
やっと 私達は ホッとした笑顔になれる。
絶対 知人に会わない 保証はないけど。
都内から出ると やっぱり安心する。
「結構 混んでるね。」
「うん。今日は 天気が良いから。」
並んで 吊り革に掴まって。
他愛のない会話を ポツリポツリと交わす。
「沙耶香 横浜って 詳しい?」
「ううん。今日 初めて来た。」
「えっ? そうなの?」
「私 あんまり 出かけたこと ないから。」
「そっか。ごめん…」
「んっ?」
毅彦を 責めているわけじゃ ないのに。
毅彦を見上げて 首を振る私。
毅彦は 小さく笑って 私の髪に そっと触れた。