分岐点 ~幸せになるために
時々 頼太から ラインが来るようになって。
近況報告だったり、他愛ない世間話しだったり。
負担にならないくらいの 頻度だったし。
私は 気軽に 応じていた。
3月中に2回 一緒に食事をしたけど。
頼太と会うことを 私は 特別に考えていなかった。
女友達と 食事をするような感覚。
私は 頼太と 一緒にいて リラックスできたし。
頼太も 私のことを 昔のように
『 沙耶香 』と 呼び捨てするくらい 打ち解けていた。
頼太が 何故 私を誘うのか 深く考えないまま。
私は 頼太といて 楽しかったから。
多分 頼太も 同じような気持ちだと 思っていた。
「ねぇ。次は 中野で 食事しようよ。その方が 帰りが楽じゃない。」
「いいよ。じゃ 俺 予約しておくよ。」
私を送って 別れ際 何か言いたそうに 口ごもる頼太。
「んっ?」
「ううん。じゃ また。」
「うん。ありがとうね。おやすみ。」
ちょっとだけ 甘い余韻を感じて。
まさかねぇ…
一人 クスッと笑いながら 私は 部屋に入った。