分岐点 ~幸せになるために
「ねぇ 頼太。聞いてもいい?」
「んっ? 何?」
「頼太 ずっと私のこと 思っていてくれたの?」
「ずっと 好きだったよ。中学生の頃から。」
「私なんか… どうして?」
「沙耶香の 落ち着いた雰囲気が 好きだったんだ。クラスの女子みたいに ギャーギャーしてなくて。すごく 大人っぽく見えたし。」
「まあね。実際 年上だからね。」
「あの頃の3才って すごく遠いじゃん? 俺 絶対に追いつけないって思ってた。悔しかったなぁ。」
「そうだね。中学生から見たら 高校生って すごく大人に見えるよね。でも私 そんなに 落ち着いてなかったよ? 友達といる時は ギャーギャー騒いだし。」
「そうかもしれないけど… それだけじゃなくて。顔とか 話し方とか。沙耶香の全部が 好きだったんだ。」
「嬉しいこと 言ってくれるじゃない。あの頃の頼太を 褒めてあげたいな。」
「いいよ。今 褒めてよ?」
そう言って 頼太は 頭を差し出すから。
私は 笑顔で 頼太の頭を 撫でてしまう。
「ヤッバイ。最高。」
頼太は 顔を赤くして 満面の笑顔になった。