分岐点 ~幸せになるために
その夜 頼太から 電話が入って。
私達は 翌日の段取りを 打合せした。
頼太も 私のことを ご両親に話したらしい。
「それで? 頼太 叱られなかった?」
「はぁ? 叱られるって なんで? 2人とも 喜んでいたよ。沙耶香なら 素性もよくわかるから 安心だって。」
「あぁ… 良かった。私 3才も年上だから。反対されるって。うちの親に言われて…」
「えーっ。それで沙耶香。本気で 心配してたの?」
「うん…」
「案外 可愛いとこ あるなぁ。沙耶香も。」
「ちょっと。怒るわよ。」
「いや… それより 俺の方が 反対されるんじゃないの? 沙耶香んちの親に。」
「どうして?」
「だって 年下で。頼りないって 思われないかなぁ…」
「大丈夫よ。頼太 頼りになるから。」
少し ホッとしたけど。
頼太のご両親には 何度か 会ったことがある。
子供の頃。もちろん 頼太と 付き合う前だけど。
穏やかで ニコニコした お父さんと
明るくて シャキシャキした お母さん。
感じの良い ご両親だけど。
私とは 関係ない人だと 思っていたから。
でも 恋人の親になったら 全然 違う。
私は 恋人の親に会うことも 初めてだから。
まだまだ 不安なままだった。