分岐点 ~幸せになるために
年明けから 頼太と 暮らし始めて。
毎日 頼太は 飛ぶように 帰って来る。
家事も 積極的に 協力してくれるし。
「俺 ずっと一人暮らしだからさ。家のことも だいたいできるよ。」
そう言って 何でも マメにやってくれる。
結婚式の準備は 頼太の方が 積極的で。
「私 頼太と並んだら 老けて見えるかな…?」
ウエディングドレスを 決める時 私が言うと
「見えない、見えない。沙耶香 若く見えるから 大丈夫。」
「若く見える? まぁ 実際 私の方が 年上だから。仕方ないけど…?」
「何で? 沙耶香 年上で 嫌なの? 俺は 自慢なのに。」
「えーっ? まさか… 私の方が 先に 年取るんだよ? 嫌でしょう。」
「いいじゃん。これからは 一緒に 年取るんだから。気にすんなよ。そんな事。」
「とか言っちゃって。頼太 若い女の子と 浮気したら 許さないよ?」
「しません。俺 年下なんか 興味ないもん。」
私が ウエディングドレスを 試着すると
頼太は 嬉しそうに 頷いてくれる。
私は 頼太の笑顔が 嬉しくて。
幸せに 胸を熱くしていた。