戦人を待つ【プロット】
登場人物
・サヤ
主人公。
腕利きの傭兵。
次々に舞い込んでくる依頼に応えているため多忙。
傭兵として積極的に活動しているわけではないが、たいして辞めたいと思っているわけでもない。
実は天然。


・ヤイバ
農民。田んぼや畑で生計を立てる。
畑では各種野菜を栽培、無人販売も行う。
税は現物納。
たまに趣味で花を育てることもある。
仕事で不在がちなサヤを根気強く待ち続けている。

幼少時は裕福な商家の一人息子だったが、ヤイバが10歳の時、商売で恨みを買った父が傭兵に殺され、母子ともに身ぐるみはがされて乞食に成り下がった。
体調を崩した母のために薬を手に入れようと、母を悲しませると知りながら傭兵になったが、報酬で手に入れた薬を届ける前に母は死亡。
それ以来、傭兵としてなりふり構わず刀を振るってきた。
だが、ある時、強盗同然に押し入った家で、農家の娘と鉢合わせる。
「命は軽いんだ。
刺せば、斬れば、すぐに死ぬ。
お前にも、お前の家族にも、これっぽっちの価値もないんだ」

「私は農家だから、生きるために大勢殺した。
菜っぱにたかる虫を殺し、食べるために鳥を狩った。
だから知ってる。
命を守り育てるのが、どんなに難しいか。
人はすぐに死ぬ。だからこそ、大切なの」

農家の娘の言葉で、これまでの過ちを悟ったヤイバは、逃げるようにその場を離れ、刀を捨てて農民となり、サヤと出会い、今に至る。
元傭兵とは思えないほど、今では落ち着き、大切な人と共に、命を大切にし合う、そんな生活を夢見ている。


・ナギ
サヤの知り合いの女傭兵。
腕前は食うにそれほど困らない程度。
とある戦場でサヤと顔見知りになり、それが縁で、ヤイバの元へ、サヤの古い髪留めを届けることになる。
しがらみが嫌い、単純を好む。
サヤ曰く「かわいい奴」。


・タカキ
傭兵として扱われてはいるが、気に食わない人を片っ端から斬り伏せる問題人物。

元はただの村人だったのだが、とある理由で、どの村にも必ず1人はいる「村人全員の不満の捌け口」になってしまう。
物心ついた頃から、常にいじめ、貧乏くじ、蔑み、嘲笑、憂さ晴らし、その他ありとあらゆる不快感情をぶつけられたため、
基本的に、他人とは自分を殺す敵であると思っている。

サヤを見て、彼女の感情が壊れる様を見てみたいと言う好奇心から、ヤイバの殺害を試みる。

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