黒い花
「…そろそろか。」
ポツリとライ様がそう呟き、解放される。
いよいよ本当にお別れだ。
「此処を出たら、"白斗みつね"でもなく*クロネ*でもなく、
──"花城あまね"として過ごすこと。」
ライ様は私の黒い瞳を真っ直ぐに見つめて言った。
── そう、私の学校での偽名゙花城あまね゙。
これから約1年間、私は花城あまねとして生きる。
「さぁ、行ってらっしゃい。」
「…行って参ります、ライ様。」
当分会えなくなる私の全てに跪き、私は黒花を去った。
会えなくなっても、再会する時も
私の服従する相手は貴方だけ────
そう心の中に刻みながら。