黒い花
整備された広い道を歩くこと、およそ15分。
一向に校舎は見えてこず、分かることは敷地がとてつもなく大きいってことと、病院らしきものやコンサート会場のようなものまで…色んな設備が整っているということ。
そして見る限りでは、私の今歩いている大通りが基となって左右に枝分かれしている。
だから多分、このままずっと行った先に本命の校舎がある筈なんだけど…。
「それにしても、静か…」
思わず言葉が零れてしまうほど、周りに気配が感じられない。
まだ早朝っていうのと、多分校舎の近くの方に寮だったり食堂…とかもあるのか?と思うから、そっちに人は集まっているのだろう。
そんなことを考えながらもひたすらに歩き続けていたら─────
「……あった。」
ようやくお目当ての校舎に辿り着いた。