黒い花
「…おはようございます。」
目が覚めるとライ様の部屋だった。
「あ、みつ、おはよう。」
仕事をしていた様子のライ様。
ライ様だけが、本名の"白斗みつね"を知っていて、2人きりの時だけ"みつ"と呼ぶ。
「ねぇみつ、黒花のことどう思ってる?」
ライ様は私の寝てるベットまで来て、私の髪を弄り始めた。
こんなことを聞くなんて珍しい。
「どう、とは…?」
「みつねにとって黒花は、なに?」
まるで赤子をあやす様に私の頭を撫でながら言った。
なに、か。
考えたこともなかった。
ライ様の元にきて黒花に入るのは必然。
『ライ様のために。』 は、『黒花のために。』と等しいから。
だから、ライ様と同じように黒花は多分…
「…私の全てです。」