黒い花



「…おはようございます。」

目が覚めるとライ様の部屋だった。

「あ、みつ、おはよう。」

仕事をしていた様子のライ様。
ライ様だけが、本名の"白斗みつね"を知っていて、2人きりの時だけ"みつ"と呼ぶ。

「ねぇみつ、黒花のことどう思ってる?」

ライ様は私の寝てるベットまで来て、私の髪を弄り始めた。
こんなことを聞くなんて珍しい。

「どう、とは…?」

「みつねにとって黒花は、なに?」

まるで赤子をあやす様に私の頭を撫でながら言った。

なに、か。

考えたこともなかった。

ライ様の元にきて黒花に入るのは必然。

『ライ様のために。』 は、『黒花のために。』と等しいから。

だから、ライ様と同じように黒花は多分…


「…私の全てです。」


< 6 / 46 >

この作品をシェア

pagetop