囚われのおやゆび姫は異世界王子と婚約をしました。
朱栞は恐る恐る目を開ける。
と、先程あれほどにまで強く発光していた自分の体は、何事もなかったかのように、普段と同じようになっていた。が、すぐに変化に気付いた。
「え………部屋が小さくなっている。それに、あなたも………」
さきほどまで、どれもこれも巨大だった部屋や家具などが、元の世界と同じような普通サイズになっていたのだ。目の前にいるラファエルもあんなに大きな巨人だったはずなのに、ベットの上に座る2人の目線は同じだった。
「それは違うよ。君が大きくなったんだ。今は、妖精ではない、人間のシュリだ」
「人間の私?それってどういう意味ですか」
「………うん。その話の前に、服を着ようか」
「え…………ッッ!!」
ラファエルの頬が少し染まっている。
彼が言った言葉を理解して、自分の姿を目にした瞬間に朱栞は声にならない悲鳴を上げた。
朱栞は人間の大きさになったと同時に裸になっていたのだった。