囚われのおやゆび姫は異世界王子と婚約をしました。
エピローグ
エピローグ
「カーネリア姫。本の発売、おめでとうございます!」
「ありがとう、ホープ。あなたが素敵な絵を描いてくれたからすごく好評なのよ。子どもたちにも読みやすいって、言われてね。嬉しいわ」
「お役に立てて光栄です。また、新しい本も出す予定なんですよね」
「えぇ。また時間があったらホープにお願いしたいと思ってるんだけど」
「もちろん、描かせていただきます。楽しみです」
「よかった、ありがとう」
本を発売してから数日が経った。
この日は、ホープが城まで訪れてくれ発売を祝ってくれた。
「人魚姫」の本は発売から大人気になり、売り切れが続出していた。みんなに楽しんでもらいたいと、値段もかなり安くした。そのため、子どものおこづかいでも買えるとあって、皆が本屋に集まって買ってくれたのだ。発売前に、カーネリアは城下町の噴水広場で朗読会をひらいたりして、物語を楽しめるようにとしていたおかげで、噂も広がっていた。始めは子どもたちだけの集まりになっていたが、少しずつ大人にも広まり、本を楽しみにしてくれる人々が多くなっていた。
お金を集める事は始めは悩んでいたカーネリアだったが、「お金は本のために使えばいい。図書館をつくるのはどうかな?」とラファエルに提案してもらい、それに賛成したのだ。
自分の伝えた異世界の物語の本が集まり、その本を自由に見られる施設。それを想像しただけで、カーネリアはワクワクした気持ちが止まらなくなったのだ。