囚われのおやゆび姫は異世界王子と婚約をしました。
朱栞は語学を学ぶ事が趣味であった。
そのため、その知識を生かし大学を卒業後にバイリンガル秘書の仕事に就いた。
大手外資系会食企業で働きキャリアを積んだ。その後にフリーになり、高校の頃の知り合いと仕事をすることになったのだ。その際、パーティーに同伴した時に、スペインのセリネーノ伯爵夫妻と出会い通訳をしのだ。すると、マネージャーをしてから知識があるサッカーの話題で夫妻と盛り上がったのだ。そして、伯爵夫妻は「またお会いしたい」と言われ、大層気に入られたのだ。そのため、この日の伯爵夫妻が主催したクリスマスパーティーに招待されたのだ。
小規模のクリスマスパーティーで、スペイン料理のレストランを貸しきって行われた。アットホームな雰囲気だったため、仕事終わりにスーツ姿で向かった朱栞は少し浮いてしまったが、夫妻はとても温かく迎えてくれ、歓迎のハグをしてくれた。
「この子はスペイン語が得意なのよ」と紹介してくれたので、周りの招待客とも気軽に話せるようになったのだ。
「あなたは、これからも秘書を続けるの?」
「えぇ。この仕事は好きですので。他の語学も勉強したいと思ってるのです」
「まぁ、すごいわね。勉強熱心だわ」
濃厚な赤ワインをいただきながら、大きなソファに座りながら話をすすめる。伯爵夫妻は、朱栞の話を聞きたいようで先程から質問をよくしてくれたり、仕事の話をしてくれる。夫妻はリラックスしているようで、背筋はしゃんとしているので、こちらも背が引き締まる。