囚われのおやゆび姫は異世界王子と婚約をしました。
2話「妖精、巨人と出会う」
2話「妖精、巨人と出会う」
「え………ここ、どこ……?何でこんな所にいるの………?」
朱栞はキョロキョロと辺りを見渡した。
足元はゴツゴツとした大きな石が多い土。そして周りには見たことがない大きな草と花に囲まれていた。花を見上げ、不思議な景色を見ているとまだ夢の中にいるようだった。けれど、土や花の自然の匂いや風が肌を撫でる感触は、とてもリアルで到底夢とは思えなかった。
どうしていいのかわからずに、立ち上がり辺りをうろうろと歩く。が、なかなか景色は変わらない。それに自分より背丈が高い枝や葉を避けて歩かなければならず、体力を使う。
「どうすればいいのかしら……」
夢ならば早く目覚めて欲しいし、これが現実ならば……考えたくもないが、寝ているうちにどこかに誘拐でもされたのだろうか、と考え込む。パーティーで酔いすぎて、どこかの公園で寝てしまった?そんな風な考えて、ありえないと結論づける。本屋に寄ったり、本を読んで過ごしたことを鮮明に覚えているからだ。
では、ここはどこなのか?結局はわからずじまいだ。
「ふー……どうしよう」
そう小さく息を吐いた時だった。
朱栞の周りの風が揺れた。と、思った瞬間、自分の真上から声が降ってきたのだ。
「╂┼‡¶▽、**┘!」