僕は君を追いかける。
佐野が起きるのを待っていた。

飛鳥さんはお昼ごはんを買ってきてくれた。

学校が終わると唯たちがよにんで来てくれた。佐野の話をずっとしているのに、心に空いた穴は埋まらない。
起きることを待つしかない、待つことしかできないことの愚かさ、不安が募っていく。

どうしよう。

「起きてよ、佐野」

そんなことが2週間続いた。

飛鳥さんがいるときは、学校に行くようになった。
今日は、みんな無理みたいだったから私1人だ。

「起きてよ、佐野、佐野。私だよ?覚えてるよね?早く起きないと他の男にとられちゃうよ。」

「........」

「なにか言ってよ。佐野、雄飛君...」

「はぁ、百合はそんなに俺と話したかったの?」

「え?」

「ニコッ」

「佐野!」
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