光の差す暗闇で私は音を奏でたい
昼休み。ようやく楽になれるとほっとしていた時、三人の女子生徒が私の席の前に来た。
確か、三戸さんと安藤さんと原田さんだ。
「ねぇ、如月さん。話したい事あるんだけど、ちょっといいかな?」
三人の威圧感が、ビシビシと私に伝わってくる。
「……何?」
「ちょっと来て」
そう言って、三戸さんは私の手を引っ張り物置のようなところに連れていかれた。
「何でこんなところに……」
三人は私の問いに答えず、三戸さんが私を突き飛ばした。
「痛っ……」
「あんた、昨日から調子乗ってない?」
「……調子なんて、乗ってない」
倒れたまま下を向いてそう言うと、三戸さんが私の制服を掴み、顔を近づけられる。
「そう言うのを調子乗ってるって言うんだよ。昨日小林君が転校してきて、うちらが最初に仲良くなろうと思ってたのに……
何で地味なアンタが最初に仲良くなってる訳?意味分かんないんだけど」
「順番なんて関係ないよ。仲良くなればいいじゃない」
「そういう問題じゃないの!アンタがいるから、こっちは小林君と話せないんだよ!もう小林君と関わらないで!!」
三戸さんはそう言って、もう一度突き飛ばすと三人はドアに鍵をかけて行ってしまった。
……すごい嫌われようだな、私。こんな埃っぽい所に閉じ込められるなんて、本当についてない。
立ち上がる気力もなく、そのまま膝を抱える。
……いつもそうだ。私の気持ちは、他の人には届かず、否定されて捨てられる。
人と関われば、私はいらない存在としてしか見られない。
私の意思なんて、誰にも受け入れてもらえない。
もう、こういうのは疲れた……
神様は意地悪だ。私は、どうすれば良かったの?どうしたら、こうならなかったの?
何が一番正しい道なの?
もう私に、不幸ばかりを与えないでよ、神様……。
私はその場に横になり、目を閉じた。