光の差す暗闇で私は音を奏でたい
~夏向目線~
昼休み。俺は購買に行き、昼ご飯を買った。
サンドウィッチを片手に持ち、教室に戻るとそこに如月はいなかった。
弁当も机に置いたままだ。
俺は近くにいた男子に話しかける。
「なぁ、如月どこ行ったか分かるか?」
「如月さんならさっき、三戸さん達と何処かに行ってたけど」
「そうか。サンキュー」
……少し、嫌な予感がした。
如月は、昨日あった感じからして自分から人と関わることはしないはずだ。
だとしたら、三戸達が如月を呼び出した事になる。三戸達は、確か一番初めに俺に話しかけてきた三人組のことだろう。
”私、三戸春美って言うの!仲良くしてねー!”
”私は安藤実っ!”
”私は原田花だよ~!”
……見た感じ派手目な女子だった。髪を染めて、濃い化粧をしてた。
こういう奴は、大抵ろくな奴がいない。俺があったことのある限りでは。
まぁ、俺の考えすぎかもしれないが。
「あっ!小林くーん!」
廊下を歩いていると、三戸達がこちらにやってきた。
三戸は隣に来ると、俺の腕をぎゅっと掴んだ。
「如月は?さっき教室でお前達といるって言ってたんだけど」
三戸は少し動揺した表情を見せたが、すぐに俺に微笑んできた。
「えっ?如月さん?如月さんは一人がいいとか言って何処かに行っちゃったよ。本当、何処に行っちゃったのかな……心配だなぁ」
「だねぇ」
「だよねー」
……こいつら、絶対何か隠してる。
「心配なら、何で追いかけなかったんだよ」
「えっ?そ、それはその……如月さん走っていっちゃったから、何処にいったか見失っちゃって……」
「本当はそれ、全部嘘なんじゃねぇのか?」
俺の言葉に、三人はビクッとする。……分かりやす過ぎだろ、馬鹿だなこいつら。