光の差す暗闇で私は音を奏でたい
「お前ら、嘘つくの下手すぎ。そんな嘘で俺が見抜けないとでも思ったのか?何せここに転校してきた俺が、そんな頭悪い訳ないだろ」
「ご、ごめんなさい……」
三人は俺の言ったことに顔面が蒼白になる。
「謝るなら、如月に謝れ。俺に謝ってもなんの意味も無い。……で?本当は如月は何処にいるんだ?」
「そ、それは……」
三人はバツが悪そうに下を向いて目を泳がせる。
俺の問いに、三人は中々言おうとしなかった。
はぁ、と溜息をつき、目の前にいた三戸の顎を上にあげ、俺に目を向けさせる。
「何処だって言ってるんだけど。勝手に黙らないでくれるか?」
三戸は、俺に顔を近づけられ薄ら顔が赤くなっているが、目は怯えていた。
「ご、ごめんなさいっ!!この階の物置に閉じ込めましたっ!」
「……そこの鍵は?」
安藤が、俺に震えた手で鍵を差し出してくる。俺は三戸から手を離し、その鍵を受け取って三人に背を向ける。
「如月に何でこんな事したのか、大体予想はつくが……そんな事したら、俺から嫌われるだけだぞ。意味の無いことをしたな。あと……」
俺はそう言って、三人の方へ振り返る。
「次、如月にこんな事やったら……許さないからな」
三人の怯えている顔を睨みつけて、俺は物置の方へと歩き出す。
本当、女子って面倒くせぇ……だから女子は嫌いなんだよ。
……如月は別だけど。
如月、今助けに行くから……それまで無事でいてくれ。
俺は持っている鍵を握り締めながら、一気に駆け出した。