光の差す暗闇で私は音を奏でたい
「ゴミは私が持っていくから先に行ってていいよ」
「あっ、如月……」
私はメガネをかけてゴミ袋を持ち、走り出す。
「あっ、輝星君」
私は一度立ち止まり、輝星君の方を見る。
「私、来月のコンクールに出ることにしたの。だから……良かったら観に来てね」
私の言葉に、輝星君の顔がパァっと明るくなる。
「……絶対観に行く!!」
輝星君のその言葉を聞いて微笑むと、私はまた走り出す。
……私は、いつも私のことを批判する人達の声しか聞いていなかったのかもしれない。
誰かに応援してもらえるって、こんなにも心強いものなんだな……。
私にはまだ、知らない事がたくさんありそうだ。
だから、前のように少しでも多くの幸せを知ってみたいと思っても良いのだろうか……。
空を見上げると、まるで私を照らしているみたいに雲一つない空が青く輝いていた。
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……翌日、私はいつも通り公園から夏向と学校まで登校し、学校に着いた。
自分の席に座り、鞄を横にかけていると昨日掃除の時間に話しかけてくれた三人が、私の机にやってきた。
「如月さん、おはよー!昨日はゴミ袋私達の代わりに持って言ってくれてありがとねー!」
「もう本当に助かったよー!」
「おかげで昨日は、先生に怒られなかったし」
ねー!と、三人で顔を見合せながら私に優しく微笑む。
……やっぱり、明るい人達だ。
「私はただ、断る理由もなかったから引き受けただけだよ」
「如月さんて、本当に素直だよねー!」
「羨ましいー!」
「私もそんな風に素直になりたかった~」
私の答えた事に対して、三人はすぐに会話を挟んでくれる。私にとって、それはすごく嬉しくて、とても話しやすかった。
「……私は、白野さん達の方が素敵だと思う」
私がそう言うと、三人は顔を見合わせて驚いていた。
「マジですか、それっ!如月さんに褒められたんだけど!」
「何か照れちゃうなー」
「そう言ってもらえてすごく嬉しい~」
三人は、思っていたより私の言った事に喜んでいた。
そんな時、HRのチャイムが鳴り響く。
「あっ、もうチャイム鳴っちゃった」
「結構早かったねー」
「残念、もう席に戻らなきゃ」
三人は私を見て、じゃーねと言うと彼女達はそれぞれ自分の席に着いた。
……三人はまるで、明るいお日様みたいだった。
話せてよかった。また、話せるといいな……。
そんな事を考えながら、私は窓の外を見た。