【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。



 俺も朱鳥のこと、もっとたくさん知っていかないと。もっとたくさん愛していくために、家族になるために。

 手紙を読み終えた俺は、もう一度寝室のドアを開けて、眠っている朱鳥にそっと近付いた。寝顔を見つめながらそっと頬を撫で、髪を撫で、そしておでこと頬にそっとキスをした。

 「……朱鳥、愛してるよ」
  
 その一言を言うだけで、胸の奥が疼くのが分かった。恥ずかしい気持ちもある。……だけどだからこそ、ちゃんと伝えたいこの想いを。

 「辛い想いさせてごめんな?悲しい想いさせてごめんな? 一人にしてごめんな。……これからは俺が、ずっと朱鳥のそばにいるからな?」
 
 朱鳥のために、朱鳥のためだけに、この想いを伝えたい。 生まれてくる赤ちゃんのことも、朱鳥のことも、ふたりとも幸せにしたい。

 家族になるのってすごく大変だと思う。分かり合うって難しいことだと思う。 だけど俺たちなら、最高の夫婦に、最高の家族になっていける気がする。
 朱鳥の想い、ちゃんと受け取ったからな?


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