【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。



 
 「っ……いたっ……」

 急に動けなくなったわたしは、その場にしゃがみ込んでしまった。
 わたしの異変に気付いた那智さんは、急いでわたしの所へと駆け寄ってくる。

 「朱鳥……!? おい!どうした!大丈夫か!?」
 
 わたしはお腹があまりにも痛くて、その場から立ち上がることも出来ずにいた。

 「お、お腹が……痛くて……」

 「え? お腹が痛いのか?」

 「はい……」

 どうしようもない痛みだった。だけど那智さんは、わたしの足元を見てすぐに出血していることに気付いた。

 「朱鳥……。大変だ、出血してる……!」

 「……え?」

 「急いで病院に行こう!」

 那智さんは急いでわたしをお姫様抱っこして車に乗せると、そのまま病院まで車を走らせた。わたしは車の中で気が付いたら意識を失ってしまっていた。

 この時、那智さんはきっと気づいていた。医者だから、勘付いたんだろうな……。




 目を覚ました頃には、ベッドの上にいて、白いカーテンだけが見えていた。
 
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