【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。
「……あれ……わたし……」
なんでここにいるんだろう……? 那智さんは……?
「神山さん、目が覚めましたか?」
「野山……先生……?」
どうして野山先生が、ここにいるんだろう……。あれ、そういえばわたし、今日検診の日だったよね……?
目の前には野山先生がいて、心配そうにわたしを見つめていた。
「あの……。先生……? どうか、しましたか……?」
さっきから野山先生は、何かを言いたそうな表情をしていた。……だけど、言いにくそうな顔でわたしを見つめていた。
「……野山、先生?」
「神山さん……。あなたにね、伝えないといけないことがあるの」
そして野山先生は、静かに口を開いた。
「伝えないと、いけないこと……?」
なんだろう……。わたし、何かしたのかな?
「……落ち着いて聞いてね、神山さん」
「……は、はい……」
なぜだか分からないけど、わたしはすごく嫌な予感がした。……聞いてはいけないことのような、そんな気がした。