【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。





 「……神山さんのお腹の赤ちゃん、ダメだった」

 「え……?」

 その言葉はわたしにとって、衝撃的な言葉だった……。嫌な予感は、的中してしまったんだ……。

 「ごめんなさい、神山さん……。最善は尽くしたんだけど……」
 
 その瞬間、わたしの目からは溢れんばかりの涙がこぼれた。
 ……その涙で、わたし自身が悟った。

 わたしは赤ちゃんを、失ったんだと……。赤ちゃん、流産しちゃったんだなって……。

 「そんな……。赤ちゃん……もういないの……?」
 
 そう告げられたはずなのに、現実を受け入れることが出来なくて……。ずっと涙で視界が塞がれた。
 なんで……。なんで赤ちゃん、いなくなっちゃったの……?

 「……ごめんなさい、神山さん。 赤ちゃん、助けてあげられなくて……」
 
 野山先生のその言葉は、わたしの心にずっしりとのしかかってきて、言葉を発することもできなかった。
 
 「なんで……なんで……。 先生、赤ちゃんいなくなったのは、わたしのせいですか……?」

 
 
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