【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。



 「……わたしも、離婚、したくない……。那智さんと、もっとずっと、一緒にいたいっ……」

 離婚したほうがお互いに幸せになれるかもしれないと思った。だけどやっぱりわたしには、那智さんが必要不可欠だ。
 那智さんがいないと、わたしは生きていけない。 那智さんのその熱い言葉と熱い想いが、改めてわたしにそう思わせてくれた。

「ああ。一緒にいよう、これからもずっと。……何があっても、俺たちは夫婦なんだ。辛いことも悲しいことも全部、二人で乗り越えていこう。 時間はかかるかもしれないし、引きずったりするかもしれないけど」

「……はい」

「だけどゆっくりでいい。ふたりで真剣に向き合って、話し合って、悩んで。そうやって俺たちは、俺たちなりの夫婦になっていこう」

 「……っ、はい」

 那智さんという存在が、わたしの人生や未来を大きく変えてくれた。妊娠から始まって、結婚して夫婦になって。
 赤ちゃんはいなくなってしまったけれど、それでもわたしたちは、夫婦としてまた一から歩んでいくことを決めた。

 
< 123 / 125 >

この作品をシェア

pagetop