【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。


 
 「朱鳥。改めて、俺から言わせてくれ」

 「はい……?」

 「俺と結婚してくれてありがとう。愛してる。これからもずっと。……これから先の未来を、俺と一緒に作っていこう」

 「……はい。よろしくお願いします」

 那智さんはそんなわたしを受け入れてくれた。わたしのことを、こんなにも大切にしたいと言ってくれた。

 だからこそわたしも、那智さんのために出来ることからスタートしたい。
 出来ることなんて限られているし、妻としてはまだまだ未熟だ。
 母親としても、未熟だった。だからこそわたしは、今度こそちゃんと夫婦になれるように努力したい。

 「はい。神山です。……え?急患!?分かった。すぐ行く!輸血と開胸セット用意といてくれ!あと脳外にも連絡!五分で戻るから!……すまない朱鳥、急患だ」

 「大丈夫です。行ってきてください。 患者さんが、待ってます」

 「悪いな。帰り気をつけろよ? じゃあな!また連絡する!」

 「はい」

 だってわたしの夫は、最高の腕を持つ小児科の医師、神山那智だから。 
 そしてわたしは、そんな優秀な夫と共に、夫婦として再スタートすることを決めた。




【2021.1.29 完結】
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