【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。




 「うん。何?……あ、良かったら、今日仕事終わったらうち来る?」

 「いいの?」

 「うん」

 わたしは麻美の家で、妊娠の事実を話すことにした。

 





 そして仕事終わり、わたしは麻美の家で妊娠していることを話した。元カレの子ではなく、一夜を共にしてしまった、あの男性の子だと。

 酔ってしまった勢いで体を重ねてしまったこと、名前も知らないこと、全部包み隠すことなく話した。麻美は何も言わずに聞いてくれた。

 「なるほどねぇ」

 麻美は話し終えると、一言そう言った。そして「話してくれてありがとうね」そう言って、わたしの頭をポンポンと撫でてくれた。

 「相談出来なくて、ごめんね……」

 「ううん。言いにくいこと、話してくれてありがとう」
 
 「わたし、この年になって何やってるんだろうね……。本当にやらかしたなって、思ってる」

 つくづく反省しかない。だけど麻美は「そういう時だってあるよ」と慰めてくれた。……麻美は、本当に優しいな。

 
< 15 / 125 >

この作品をシェア

pagetop