【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。
「……あの、この前は、本当にすみませんでした。男の人、無責任とか思いましたよね?」
「……それは、べつに……。そんなこと、ないです」
ちゃんとメモ書きもあったし、それに……。ちゃんとホテルの料金も支払ってあったのだから。だから気にしていない。
「……所で、あなたは……。〈妊娠〉してるんですよね?その、キーホルダー……」
「……はい。そうです」
だけど彼の子だと言いたくない。言ったところで、彼には何も出来ないからだ。
「それってまさか、その……。あの時の……ですよね?」
「……違います」
彼の子ではないとあえて嘘をついた。だって彼だってきっと、あなたの子ですなんて言ったら、きっと驚くだろうし。……それに何よりもこのことで罪悪感を持たれるのは、わたしがイヤなのだ。
責任を取らなきゃとか、結婚しなきゃとか、そう思われるのがすごくイヤなのだ。……罪悪感とかから結婚しなきゃとか思われたら、わたしは女として終わる気がしたから。