【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。



 「……朱鳥?」

 「あの人ね、那智さんって言うの」

 「え?」
 
 麻美は不思議そうな顔をしていた。

 「あの時ね、那智さんに初めて会った時……。正直に言うと、少しだけ安心したっていうか……。温もりがすごく、温かいなって思ったの」

 「……そっか」

 「顔も名前も知らない相手と一夜を共にしてこんなことになってさ、本当にバカだなって思ってる。……だけどわたし、那智さんがこんなにも真っ直ぐな人なんだって言うのを昨日知って、正直に言うと、戸惑ってる。だって再会したその日にプロポーズした男だよ?真っ直ぐすぎない?」

 なんて笑いながら言うと、麻美はちょっと笑いながら「確かにね。強引な気もするけど、真っ直ぐかもね?」と言っていた。
 
 「……確かに今わたしのお腹にいるのは、那智さんの子だからこそ、真剣に考えたい。将来のこともそうだし、この先の未来のことも」

 「うん。言ったでしょ?わたしはいつでもアンタの味方だって」

 「……ありがとう」

 
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