【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。




 「……美味しそう」

 「さ、食べましょうか、朱鳥さん」

 「はい」

 いただきますと手を合わせて、フォークを持ち、出来たてのパスタを一口頬張った。
 
 「うん、美味しい」

 確かに那智さんの言うとおり、クリーミーでコクがあって美味しいパスタだった。

 「でしょ?だから美味しいって言ったでしょ?」

 「……はい。すごく美味しいです」

 パスタを食べながら、那智さんは気を利かせてくれたのか、話題を変えてくれた。

 「あ、そういえば、朱鳥さんは年はいくつですか?」

 「25です。……那智さんは?」
 
 「俺は31です。ちなみに職業は医者です」

 「えっ!? い、医者……!?」
 
 医者なの!?那智さん!?知らないよ〜そんなこと……!

 「医者って言っても、専門は小児科です。一応小児科の中では信頼の厚い医師だと思っていますけどね?」

 「そ、そうなんですね……。小児科の、先生……」

 医者だったなんて、気付きもしなかった。まさかの、真実……。

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