【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。




 「……うん。わたし、頑張るね」

 その後わたしは、色々と真剣に考えた結果。ーーーこの子を生むことにした。

 わたしのお腹の中に宿ってくれたこの子を生みたい、そう思った。

 「……あれ? 那智、さん?」

 それから1週間後、わたしは検診のため病院を訪れた。そしてその病院で、わたしはまた那智さんと再会した。

「朱鳥さん」

「え、なんで……」 

 目の前に立っているのは、間違いなく那智さんだ。……え?何で那智さんがここに?

 「あれ、言ってませんでしたっけ? 実は俺、この病院の小児科で働いてるんです」

「……へ?」   
  
 ええっ!? そ、そうなの……!?  

「朱鳥さんは、今日は……?」

「え?……あ、今日は、検診です」

「そっか。検診か……。頑張ってね」

「……あの、那智さん」

 わたしは那智さんに直接話そうと思った。この子を生む覚悟が出来たって。

「ん?」

「……いえ、失礼します」

 だけど次のデートの日まで、那智さんには言わないことにした。
 

 
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