【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。
「ヤケ酒するくらいの何かがあったんだとは思うけど。……そんなことを忘れるくらいに、俺が君を楽しませてあげる」
こうして彼の甘い言葉と、握られたその手の温もりに、わたしは彼に付いていってしまった。
彼に付き添われてタクシーで移動したのは、ちょっと高級なラブホテルの一室だった。そして中に入ると、彼はすぐ様わたしの唇を奪ってきた。
「ん……っ」
軽めのキスではなく、結構激しめのキスだ。舌を絡ませては、呼吸をするのが苦しいくらいに、わたしの唇を塞いでくる。
「っ、ちょっと、待って……」
キスをされたかと思えば、そのままベッドに押し倒されてしまう。そして唇だけでなく、首筋にまで口を這わせてくる。
トロトロに溶かされてしまいそうで、もう意識がなくなりかけてしまいそうだった。そして気が付いたら、彼は着ていたシャツやネクタイ、そしてスラックスまで全部脱ぎ捨てていた。
ぼんやりとした月明かりから見えるのは、彼の顔、そして上半身。程よく筋肉のついた腕。