【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。
➅大切にします。ずっと幸せにしますと約束しました
「三枝さん、見える?これが頭よ」
お腹に超音波をゆっくりと当てながら、先生は赤ちゃんのことを説明してくれた。エコーで見た赤ちゃんはとても小さくて、だけどちゃんと生きているのだと、実感した。
わたしのお腹のいる赤ちゃんは、今ちゃんと生きている。そのことがとても嬉しくて、少しだけワクワクした。
こんなにも小さな体で懸命に生きているのって、本当にすごいな……。
「はい、超音波終わりね。次は採血するからね」
「はい」
わたしはそこで、小児科の医師として働く那智さんのことを少しだけ聞いてみた。
「あの、先生……」
「どうしたの?何か気になることでもある?」
「あの、ここで働く小児科の先生について、知りたいんですけど……」
「小児科の先生?……あ、もしかして、神山那智先生のこと?」
「はい。さっき廊下で見かけて……。どんな先生なのかなって、思って」
わたしがそう言うと、先生は「神山先生は、すごい医者よ」と言った。