【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。
「……本当に、いいのかい?」
「はい。……もう迷ったりしません。わたしは、この子を生みたいです。元気に生んで、たくさん愛情を持って育てていきたいです」
わたしはお腹に手を当てて、那智さんに届くように祈りながら話した。
「……ありがとう、朱鳥さん」
那智さんは、優しく微笑んでわたしの手を握ってくれた。
「だからね、那智さん」
「はい?」
わたしを見つめる那智さんに、わたしはこう問い掛けた。〈わたしたちのこと、ずっと大切にしてくれますか? ずっと愛してくれますか?〉と。
そしたら那智さんは、わたしの手をぎゅっと握りしめて、こう言った。
「はい。ずっと大切にします。朱鳥さんとお腹の子、ふたりとも幸せにします。……ずっと幸せにすると、約束しますよ」
そしてわたしは、那智さんの気持ちに真剣に応えたいと思って、次のデートの時にちゃんと告白しようと決めた。
そして那智さんもまた、次のデートの時にちゃんとプロポーズをしたいと申し出てくれた。