【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。
そして那智さんは、最後にこう言った。
「医者は時に残酷な仕事です」と。
それはきっと、救えなかった人たちへの無念さとか、悔しさを表しているのだと思った。
だけどわたしは、いつでも彼のそばにいて、彼のことを支えていきたいと思う。悔しい時も嬉しい時も、そして悲しい時も。ずっと寄り添っていきたいと思った。
医者は人の命を救うだけが仕事じゃないと、那智さんは言った。時には患者さんに寄り添い、サポートしてあげることも必要な仕事だって。
医者が出来ることなんて、限られている。だけどそれを中途半端にしたくないと、那智さんはわたしに言ってくれた。それは仕事だけじゃなく、わたしを愛することと同じだと。
だからこそ、今自分がやるべきことをしっかりとやっていきたい。もっといい医者になりたい。那智さんは、わたしと、そしてこれから生まれてくるお腹の子に誓っていた。
だからわたしは、そんな彼を一生懸命そばで応援したいと思った。共に支え合って生きていきたいと、強く思った。