【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。



 「……え?」

 「三枝朱鳥さん」

 「はい?」

 「俺が必ず、朱鳥さんとお腹の子をこの先ずっと幸せにする。一生愛していくと約束します。……なので俺と、結婚してください」

 そして那智さんは、わたしの目の前から箱を開けて、小さなリングを取り出した。

 「……はい。よろしく、お願いします」

 わたしは2度目のプロポーズを、承諾した。あの時のプロポーズとは違う。ちゃんと心がこもっていて、何よりもわたしを心から愛していると言ってくれたから。

 そしてわたしも、この人の隣で、一生添い遂げていきたい。死ぬまでずっと、那智さんの隣で支え合って生きていきたい。

 「ありがとう、朱鳥さん。……愛してる」

 「はい」

 それから数日経った頃から、わたしはつわりの症状が出始めた。頻繁に吐き気が出るようになり、仕事を休む日々が続いてしまった。 

 心配してくれる麻美がよくお見舞いに来てくれる。スポーツドリンクやゼリーなどを買ってきてくれる。


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