【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。



 「あ、そうそう。さっきわたしのこと探してたんだよね?」

 「……え?あ、そうだ。ちょっと聞きたいことがあって」

 「聞きたいこと?何?」

 「今野山先生が担当してる患者で、三枝朱鳥さんって人いるだろ?」

 「ええ、わたしの患者だけど?」

 「三枝朱鳥さんから、俺のこと何か聞いてないか?」

 「え?神山先生のこと……? あ、そういえば初めてわたしが診察した時、神山先生のこと聞かれたよ?小児科の先生ってどんな先生なんですかって」

 「……そう。それで?」
 
 「いや、特には?まぁすごい先生なんですね?くらいだったかしら?」
 
 「……そっか」

 「でもなんでそんなこと聞くの?珍しいね? 神山先生が、産婦人科の患者のこと聞きたがるなんてさ?」

 野山先生にそう聞かれてしまったら、正直に話すしかないと思った。妊娠してる子が俺の子だってこと、結婚したこと。全部話そうと思った。

 「実は三枝朱鳥さんが妊娠してる子って……俺の子なんだ」


 
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