【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。
「はっ?成り行き?」
とことん困った顔をする、野山先生。そういう顔が、おもしろくて好きだけど。
「そう。なんていうか……。運命の出会いってヤツなのかな?」
それとも、この出会いは必然か。出会うべくして出会った運命の出会いなのか……。それは俺にもまだ分からないけど、きっと運命だと思っている。
「運命の出会い? え、神山先生が、そんなロマンチックなこと言うなんて……」
「なんだ、いけないか?……妻と出会って、俺はこの仕事がますます好きになったんだ。妻に感謝しないとな?」
「そっか。運命かぁ……。まぁ、神山先生がそう言うなら、しっかり見てあげないとね?奥さんのこと」
「ってことで、妻のことよろしくね?野山先生」
俺はそう言うと、野山先生に手を振って小児科へと戻った。
野山先生は、こう見えシングルマザーだ。旦那さんとは子供が生まれる前に離婚して、それからずっとシングルマザーとして、仕事と育児の両方を日々こなしている。さすがだな、野山先生。本当に頼りになる。