【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。
「はる君が、そんなことを……」
「はい。わたしも、那智さんと同じ気持ちです。はる君には元気になって欲しいです。いつか必ず、サッカーが出来るようになってほしいと思います」
「……朱鳥」
「だから那智さん、どんな時も諦めないでください。挫けそうになったとしても、諦めないでください。……はる君を助けてあげられるのは、那智さんだけです」
わたしのその言葉に、那智さんは両目に涙を浮かべながら【ありがとう】と言った。
そして那智さんは、抑えていたその一筋の涙を流した。
「わたしはいつだって、那智さんの味方です……。那智さんが辛い時や悲しい時に、こうやって慰めてあげるのが、わたしの妻としての役目だと思っています」
その気持ちにウソはない。だってわたしは、もう自分が思っているよりも那智さんのことを好きで、愛おしい存在だと思っているから。
だからこそ、那智さんのために、何でもしてあげたいと思う。苦しみや悲しみも、一緒に分け合っていきたいと思っている。