【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。
「……朱鳥、俺も朱鳥の笑った顔が大好きだよ。だから朱鳥にも、ずっとこれからも笑っていてほしいと思ってる」
わたしのその言葉に、那智さんは同じように嬉しい言葉をくれた。
そしてまだあまり膨らみのないわたしのお腹に手を当てると、那智さんは笑って「赤ちゃんにも、ずっと笑顔で笑っていれるように。そんな風に育てていきたいな?」と言った。
「……はい。そうですね」
この子には、寂しい想いをさせないようにしっかりと愛情を持って育てていきたい。将来、わたしたちの子供で良かったと思ってもらえるように。
「朱鳥、赤ちゃんが元気に生まれてくるように、ちゃんと頑張っていこうな?」
「はい。この子には、わたしたちがいますから。……夫婦はふたりでひとつと、言いますしね?」
「そうだな。夫婦はふたりでひとつだな」
「……はい」
赤ちゃんのために、お互い協力し合って頑張らないと。そして元気な赤ちゃんを生んで、少しずつ家族になっていくんだ。
わたしたちの赤ちゃんは、わたしたちの宝物だから。