【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。
「……はい、食べたいです。那智さんの作るトマトスープ、食べたいです」
那智さんがわたしの、わたしのためだけに作ってくれるのだから、食べたいに決まっている。食欲がなくても、那智さんの作るトマトスープなら、尚更食べたい。
「じゃあ今から作るから、出来るまで横になっててもいいよ」
「……ありがとうございます」
わたしは那智さんの言葉に甘えることにした。少し横になりながら、那智さんがキッチンに立って料理をしてる姿を眺めていた。
那智さんの料理してる姿は、とてもカッコよくて、そして何よりもわたしのためだけに作ってくれてるということがとても嬉しくて。……どうしようもなく、胸が震えた。
今思うと、こんなにも近くにいるのに、わたしは那智さんのこと知らないことの方が多い気がした。
わたしたちはお互いのことをよく知らないまま、夫婦になってしまったから、これからはもっとお互いのことを知っていかないとと思った。赤ちゃんを生んで、家族になっていくんだから。