【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。




 「ありがとう、麻美。話聞いてくれて」

 「そんなのいいのよ。朱鳥が元気になってくれて良かった」 

 麻美のその笑顔を見るだけで、わたしは救われた気がした。やっぱりわたしの親友は、麻美だけだ。

 「時間がある時に、また遊びに来てね」

 「そうねぇ。今度は那智先生にも、挨拶しないとね?まだ一度も会えてないから」

 「うん。じゃあ、那智さんに伝えておくね。麻美が会いたがってるって」

 「約束だからね?」

 「うん。今度来る時は、麻美の好きなロールケーキと、美味しい紅茶でも買って用意しておくね」

「ありがとう。楽しみにしてる! じゃあ、身体に気をつけてね? じゃあね」

 「うん、気をつけてね。バイバイ」

 玄関先で手を振って麻美を見送ったわたしは、そのままリビングへ戻り少し水を飲んだ。

 今日麻美が来てくれたおかげで、寂しさも和らいだし、全然心細くなかった。やっぱりいいな、親友って……。麻美がいてくれた時はつわりも割と平気だったしね。


 
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